ドルは市場が織り込んでいた景気減速からの巻き返しを図れるのか。ユーロはECBが引き続きインフレ抑制を最優先するのか。これら2つが来週の大きなポイントとなる。来週は2日RBA(豪)、3日BOC(カナダ)、4日Riks(スウェーデン)、BOE(英)、そしてECB(ユーロ圏)と政策金利の発表が目白押しだが、前述の2つのポイントから特に5日(金)の米雇用統計と4日のECBに注目。
米雇用統計への指針となるここまでの幾つかの経済指標には、悲観的な数値が多い。失業率への相関が高い事で知られる消費者信頼感指数における「雇用を得るのが困難」との構成項目は32.0(前回:30.2)へと悪化。前年同月比(19.7)で見るとその悪化ぶりが良くわかる。リッチモンド連銀指数における雇用指数も-12(前回:-5)へと悪化、シカゴ購買部協会指数における雇用指数も39.2(前回:45.9)へと大幅に悪化している。また8月5日のFOMC声明文では「労働市場は更に弱まった」とされており、26日に公表されたFOMC議事録では「向こう数ヶ月、非農業部門雇用者数は更に減少する可能性がある」との記述があった。雇用統計は今回更に悪化するリスクが高いだろう。ただ一連の指針が悪いという事は、換言すればその分雇用の悪さは織り込まれつつあるという事。それ故仮に予想を上回る好数値となれば(指針を見る限りその確率は低そうだが)、ドルにとっては大きなサポートになり得るだろう。
ウェーバー独連銀総裁やビーニスマギECB理事など、ECB当局者はここ最近タカ派な見解を繰り返し、市場の利下げ期待を牽制している。トリシェECB総裁が前回の金利発表時の記者会見で景気減速のリスクを繰り返し強調し、経済指標もそれに追随するように悪化を示し始めた事で、市場に利下げ期待ムードが浮上し始めたからだ。また8月の消費者物価指数(前年比/速報値)が3.8%と3ヶ月ぶりに4%を割り込んだ事もそういった利下げ期待を支援している。今回ECBは金利の変更を行なわないだろうが、懸念視していたインフレ(消費者物価指数)の低下についてどういった見方を示すのか(一時的なものか、継続的なものなのか)。またトリシェ総裁が「9月の政策発表時に新たな見通しを示す」としていた事から、今後の金利見通しについてどういった道程が示されるのか。特に今後の金利見通しはユーロの動向を左右するカギとなるだろう。
これら以外にも3日豪第2四半期GDP、米地区連銀経済報告(ベージュ・ブック)、5日カナダ8月雇用統計など、金融市場に影響を与えうる経済指標が目白押しとなっている。
